不鮮明な糖
2009/02/15 22:45:46
授業中の妄想@ポツダム宣言
あと日英同盟→第一次世界大戦で、アーサーが菊にツンデレ電話をかけるネタとか考えてます。どう考えても入試まであと4日な人がやることじゃないよね
******
い草の薫りが斜陽によって熟し、冬が終わったのだと再認識する。
戦局は最悪だ。恐らく私は、負ける。
事実を認めないのは信条に反する。ばかみたいに逃避できるなら、どんなにか。
清廉な空間は、突然の来訪によって乱された。
「やあ本田くん。元気がないね」
「何をしにいらしたんですか」
現れたのは、アルフレッド・Fジョーンズだった。私を追い詰めた張本人。
「やだなあ、態度が冷たいよ。顔色も悪いんじゃない」
そろそろ諦めたら、などと。
あっけらかんと笑ってみせる眼鏡の彼を、携えた刀で消すことができたなら。
「何をしにいらしたんですか」
再び繰り返すと、彼は嬉しそうに言った。
「そろそろ負けを認めろよってことさ。君の大好きなルートヴィッヒくんも、とっくに認めたというのに」
そう言って、持ってきたらしい書類を私に突き付けた。
中身は見なくても分かる。どうせ無条件降伏を促す文が、長々と連ねられているだけだ。
こんな奴の奴隷になんて、なってたまるか。
決意を込めた目で静かに睨み付ける私に対し、アルフレッドはただ肩を竦めただけだった。
「アーサーが」
――まさか、その名前が出るとは。
思いもよらないことに、空気が揺れた。
「……鉄で固めたように見えて、君も脆いね。実に未熟だ」
彼はもちろん私より、幾分か若いはずだ。
しかし、アーサーから離反して、飛躍的に成長した彼にとって、……想い人の名が出たくらいで動揺する私は、未熟なのだろう。
「彼なら、君が降伏したらまた会えるよ。ねえ、そうしたら、素敵なパーティーを開こうか。彼もこちらが嫉妬してしまうほどに君のことを気にかけているんだよ」
本当に楽しそうだ。悪趣味極まりない。
彼は、アーサーにも、私にも、恋をしている。
「……私は屈しません」
正座したその姿勢を動かすことなく。心も目も、動かないよう。
アルフレッドは、どうなるか知らないよと小声で言った。
私は動かない。
意地の悪い笑みが彼の顔から剥れ、古ぼけた壁に張り付いた。
夕日に反射し輝く金髪を優雅に揺らし、彼はゆったりした仕草で踵を返した。圧倒的優位に立つ者の仕草は、逐一裏に余裕を持っている。
襖に手をかけ、立ち止まった。
「楽しみにしているよ」
何をとは聞かない。
そして、それが空間からなくなった瞬間、そこは実に空虚であった。
私は吐息に憂愁を載せ、目を閉じ、この先を思惟するしかないのだ。
゛それはこっけいなわたし゛
*******
タグ失敗してたら台無しだなあこれ
あと日英同盟→第一次世界大戦で、アーサーが菊にツンデレ電話をかけるネタとか考えてます。どう考えても入試まであと4日な人がやることじゃないよね
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い草の薫りが斜陽によって熟し、冬が終わったのだと再認識する。
戦局は最悪だ。恐らく私は、負ける。
事実を認めないのは信条に反する。ばかみたいに逃避できるなら、どんなにか。
清廉な空間は、突然の来訪によって乱された。
「やあ本田くん。元気がないね」
「何をしにいらしたんですか」
現れたのは、アルフレッド・Fジョーンズだった。私を追い詰めた張本人。
「やだなあ、態度が冷たいよ。顔色も悪いんじゃない」
そろそろ諦めたら、などと。
あっけらかんと笑ってみせる眼鏡の彼を、携えた刀で消すことができたなら。
「何をしにいらしたんですか」
再び繰り返すと、彼は嬉しそうに言った。
「そろそろ負けを認めろよってことさ。君の大好きなルートヴィッヒくんも、とっくに認めたというのに」
そう言って、持ってきたらしい書類を私に突き付けた。
中身は見なくても分かる。どうせ無条件降伏を促す文が、長々と連ねられているだけだ。
こんな奴の奴隷になんて、なってたまるか。
決意を込めた目で静かに睨み付ける私に対し、アルフレッドはただ肩を竦めただけだった。
「アーサーが」
――まさか、その名前が出るとは。
思いもよらないことに、空気が揺れた。
「……鉄で固めたように見えて、君も脆いね。実に未熟だ」
彼はもちろん私より、幾分か若いはずだ。
しかし、アーサーから離反して、飛躍的に成長した彼にとって、……想い人の名が出たくらいで動揺する私は、未熟なのだろう。
「彼なら、君が降伏したらまた会えるよ。ねえ、そうしたら、素敵なパーティーを開こうか。彼もこちらが嫉妬してしまうほどに君のことを気にかけているんだよ」
本当に楽しそうだ。悪趣味極まりない。
彼は、アーサーにも、私にも、恋をしている。
「……私は屈しません」
正座したその姿勢を動かすことなく。心も目も、動かないよう。
アルフレッドは、どうなるか知らないよと小声で言った。
私は動かない。
意地の悪い笑みが彼の顔から剥れ、古ぼけた壁に張り付いた。
夕日に反射し輝く金髪を優雅に揺らし、彼はゆったりした仕草で踵を返した。圧倒的優位に立つ者の仕草は、逐一裏に余裕を持っている。
襖に手をかけ、立ち止まった。
「楽しみにしているよ」
何をとは聞かない。
そして、それが空間からなくなった瞬間、そこは実に空虚であった。
私は吐息に憂愁を載せ、目を閉じ、この先を思惟するしかないのだ。
゛それはこっけいなわたし゛
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