同じシリーズで書いてみた
2008/03/13 22:31:27
私が認識しなくても、もしかしたらそれはずっといたのかも知れない。
影が見ていた、
気付いたのは、変わらない日々に飽いてふと横に目を逸らした瞬間。
重く沈んだ私のような灰色をしたそれは、教室の端から私を見つめていた。
目を少し見開く。授業中だということも忘れて私はそれに見入ってしまった。
不思議と恐怖はない。それは退屈な私を満足させるには丁度良い大きさの驚きとスリルを与えてくれた。何故なら私がどちらに目を逸らそうとそれは必ず居たからだ。
ある日気付いた。それは、見ようとして見る事が出来ないものであった。私が横を見ても、そこにはただ凡庸な空間が広がって居るばかりで、いたたまれなくなって目を逸らすとそれはそこにあるのだ。
私はそれを見つけた瞬間の、禁忌を犯しているような甘い感情に病み付きになった。
私が夢中になればなるほどその色は重く暗くなり、またその距離は狭まった。
そしてついにその時がやってきた。
今や授業など全く聞かずに先生から目を逸し続けていた私は、突然の変化にそれから目を離せなくなった。
今まで黙って見つめていたそれは無言でどんどん私に近付いて来、何故か動けなくなる私に手の様な突起物を伸ばす。
私の渇いた喉が、渇いた悲鳴をあげかけた時。
突起物が私の中にするりと入り込み、頭の様な膨らみから胴体まで全てが瞬間的に私の中に侵入した。
大きく息を吐く。身体の異常の無さを確かめ、同じ場所を見てもそれはもう二度と見る事はできなかった。
視線を黒板へと戻し、なんとなく寂しさに襲われながら何気なく自らの足下を見た時。
黒い筈の影が、どんよりとした灰色に沈み私を見つめて居たのだ。
私は思わず微笑して鉛筆を手に取り、てきぱきと黒板を写し始めた。時々、視線を下に投げてそれの姿を確認しながら。
了
再びお粗末さまでした。調子こいて申し訳ありませんでしたってこの間も謝ったな…
影が見ていた、
気付いたのは、変わらない日々に飽いてふと横に目を逸らした瞬間。
重く沈んだ私のような灰色をしたそれは、教室の端から私を見つめていた。
目を少し見開く。授業中だということも忘れて私はそれに見入ってしまった。
不思議と恐怖はない。それは退屈な私を満足させるには丁度良い大きさの驚きとスリルを与えてくれた。何故なら私がどちらに目を逸らそうとそれは必ず居たからだ。
ある日気付いた。それは、見ようとして見る事が出来ないものであった。私が横を見ても、そこにはただ凡庸な空間が広がって居るばかりで、いたたまれなくなって目を逸らすとそれはそこにあるのだ。
私はそれを見つけた瞬間の、禁忌を犯しているような甘い感情に病み付きになった。
私が夢中になればなるほどその色は重く暗くなり、またその距離は狭まった。
そしてついにその時がやってきた。
今や授業など全く聞かずに先生から目を逸し続けていた私は、突然の変化にそれから目を離せなくなった。
今まで黙って見つめていたそれは無言でどんどん私に近付いて来、何故か動けなくなる私に手の様な突起物を伸ばす。
私の渇いた喉が、渇いた悲鳴をあげかけた時。
突起物が私の中にするりと入り込み、頭の様な膨らみから胴体まで全てが瞬間的に私の中に侵入した。
大きく息を吐く。身体の異常の無さを確かめ、同じ場所を見てもそれはもう二度と見る事はできなかった。
視線を黒板へと戻し、なんとなく寂しさに襲われながら何気なく自らの足下を見た時。
黒い筈の影が、どんよりとした灰色に沈み私を見つめて居たのだ。
私は思わず微笑して鉛筆を手に取り、てきぱきと黒板を写し始めた。時々、視線を下に投げてそれの姿を確認しながら。
了
再びお粗末さまでした。調子こいて申し訳ありませんでしたってこの間も謝ったな…
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